シカの対策

我が国におけるニホンジカ(Cervus nippon)による農業被害は,2016 年度の被害金額が 56 億円となり,被害面積と被害量を含めた全ての調査項目において害鳥獣の中で最も多くなっています。(農林水産省:全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(平成 28 年度)
 また,ニホンジカによる林業被害も全ての獣類で最も多く,2016 年度の被害面積は 5,600ha に及んでいます。
 これらの被害に対して,
1.野生動物の活動拠点となる集落および農地周辺の藪の刈り払いなどによる環境管理。
2.対象動物種の行動特性に則した効果的な侵入防止柵の設置。
3.加害個体の選択的捕獲。
の 3 項目をバランスよく行う総合対策が推奨されています。
 しかし,対策規模が広大な造林地や過疎・高齢化の進む中山間地域の農家では,総合対策の実施には経済的・労働的負担が大きいという認識があることや,農業分野で用いられている害虫対策の忌避剤に倣った考えから,より簡便なニホンジカに対する防除手法を望む声があります。

獣害対策

シカの対策

シカの生態

シカの生態
北海道から沖縄まで多雪地を除き,全国に分布していますおり近年その分布域は全国的に拡大傾向にあります。餌となる植物が多い場所を好むため,林内以外に,林縁,伐採跡地,造林地なども餌場としています。
シカは満1歳(生まれた翌秋)で性成熟し,10~11月に交尾して,5~6月に出産します。通常は1産1仔であるが,まれに2仔を出産します。メスは栄養条件が良ければ,満1歳の秋に発情し,7割以上が妊娠すると言われいます。また2歳以上では8割以上が妊娠をします。縄張りを持つオス1頭が複数のメスと交尾するいわゆる一夫多妻の繁殖形態をとるため,メスを捕獲しないと生息数を減らすことは難しいと言われています。発情期を過ぎるとメスより行動範囲の狭い雄シカは雌シカから離れ、単独で農耕地を徘徊します。
シカはほとんど助走せずに1.5m以上の障害物を跳び越える能力を持ちます。しかし防護柵など障害物では上を跳び越えるよりも,隙間や下をくぐり抜けることの方が多いようです。
シカの好む食べ物
牛と同じ反芻動物であるシカは,一部の有毒な植物(アセビなど)を除き1,000種を超える植物の葉,芽,樹皮,果実を餌としています。その量は1日約3㎏にもなり、農地の農作物だけでなく,集落周辺の雑草の大半が餌となります。特にシカの餌が乏しくなる冬~早春の農地,林道や農道のり面,果樹園などに茂る青草は格好の餌資源となります。それ以外にも,水稲のヒコバエ(2番穂),レンゲやクローバー,ナンテン,サカキなどの植木も餌となります。
シカが引き起こす被害

人に及ぼす被害
 主に奈良県において鹿せんべいを与えるのをじらして腹や手を甘噛みされたり、突進されてけがをするケースが多いという報告があります。
シカによる被害
 シカは植物性のものならほとんどのもの食べるため、被害を受ける農作物は多岐にわたります。水稲を始め、麦、豆類、白菜などの葉菜、大根などの根菜が狙われます。また、以前は食べなかったものでも、茶の葉など味を覚えると食べるようになるようです。林業や森林の生態系に与える被害も甚大で、冬場の餌としてスギやヒノキ、果樹などの樹皮を食べる食害のほか、オスが木に角を擦り付けて剥皮するなどの被害があります。また、地表の植物が食い尽くされて景観が失われたり、土砂崩れが発生したりというケースも発生しています。
対策について

現在一般的なシカ等の被害対策は、罠や捕獲による人工駆除が主流となっています。その理由の一つには“生息密度効果”に頼る自然淘汰が殆んど期待できないことがあげられていますが、一方では、過去十数年の歴史的事実から「捕獲等」に頼った対策は意味がなく「農業」、「行政」、「猟師」等が連携した「総合害獣対策」が基本である という考えもあります。
シカ対策に対する弊社のアプローチ

野生シカを人間の生活領域に侵入させない方法として、音を利用した獣害対策が、経済性や労働負荷の軽減の面で有効な手段として既に害獣対策装置として販売されています。
忌避音声の発声によるシカの獣害対策では、これまでに下記事例なども報告されてきました。
1.ある農業組合では、98dBの単純音を「1 分間出力 20 秒間停止」のサイクルで繰り返して発信する装置をシカ対策として試験的に採用したが効果は限定的だった。
2.爆音や超音波または鹿の警戒声は、持続的な防除効果が低いと指摘されている。
音による人工的な対策の効果が長期的に維持できない原因は、野生動物の「馴れる」という習性に起因するものと推定されます。
これらのことは、対象動物の警戒行動や馴化等動物行動学に基づく音に対する特性を、害獣対策装置等の利用に反映する必要性を示唆していると考えられます。
上記の様々な実証試験や学術知見に基づいて、弊社の害獣対策装置は、
1.猟友会の皆様に提供頂いたシカの捕獲時の苦渋音・天敵の威嚇音・猟犬の威嚇音等の発生によってシカに警戒・退避行動を起こさせます。
2.重ね合わせた忌避音の発生によって害獣の混乱を誘発、退避行動を起こさせまた、持続的な追い払い対策とします。
3.上記1.2.の忌避音の定時発声の柔軟な間隔設定及び対象害獣検知時の忌避音発声をサポートします。
4.害獣の生態(音声発声に対する害獣の聴覚・嫌悪反応・忌避反応等)の学術研究の知見を製品開発に生かします。
シカ獣害対策装置

害獣撃退装置(同時異種発声システム)

害獣撃退装置(同時異種発声システム)は、お客様の防護区域に複数設置して、害獣の持続的な追い払いを可能にします。お客様防護区域に侵入する害獣を検知装置で検知して、複数の装置から各々異種の忌避音を同時に発声させ、害獣に音源を特定できなくして、2度目以降の侵入にも害獣の「馴れ」を防止することによって、持続的に害獣を追い払うことができて、獣害軽減に非常に効果的なシステムです。検知装置は、赤外線型検知装置とマイクロ波型検知装置の2種類が選択でき、長距離(≒30m以内)の害獣を検知できます。消音スピーカーは、超音波変調を用いて害獣に忌避音声を届けるスピーカーで、126dB/0.3mの大音量にもかかわらず、スピーカーの中心でしかその音声が聞こえることがなく、設置騒音となるような環境のお客様の使用に最適です。

※同時異種発声システムーーー予めお客様の「荒らされたくない区域」に、定時又は害獣検知時に2か所以上から、同時に異種の忌避音声(苦渋音等)を放射し、害獣に音源を特定できなくして追い払い、2回目以降の『馴れ』による追い払い効果減衰の予防対策を施したシステム。