害鳥・害獣の持続的な撃退効果について
野生動物を人間の生活領域に侵入させない方法として、音を利用した野生の害鳥獣対策が、経済性や労働負荷の軽減の面で有効な手段として既に忌避装置として販売されている。
しかし、爆音や超音波または天敵の警戒音声などは、短期的には害鳥獣防除はできるが、持続的な防除効果が期待できないと指摘されている。
また、各々の害鳥獣により、その効果が違うという報告もある。
このように、忌避音声による人工的な対策の効果が長期的に維持できない原因は、野生動物の「馴れる」という習性に起因するものと推定される。
これらのことは、対象動物の警戒行動や馴化等動物行動学に基づく音に対する特性を、忌避装置等の利用に反映する必要性を示唆している。
目的が「ある一定期間のみ防除ができれば良い」という短期的なものであれば現状の忌避装置は一定の効果をもたらすと思われるが、例えば、山に住み着ている害獣あるいは、街に住み着いた害鳥と共生していくためには、持続的な対策が必要である。
持続的な対策の要は害獣・害鳥の「馴れ」を防止していくことになる。
野生の害鳥獣が忌避音声に馴れていく段階において、忌避装置に対する考慮すべき点として、下記の項目がある。
1.忌避音声の発信源を特定できないようにする。(2か所以上から同時に発声する等)
2.忌避音声を多種用意して、発信源を特定させない。
3.忌避音声に一様な音を避ける。(例えば1kHz単音とか)
元来、害鳥獣の日常生活の中でとる警戒行動は、自然界における外敵が発する声や工場等の
人工的に作りだされた騒音や、経験等から自覚した危険な音源と強く結びつくと考えられい
る。また忌避音声がもたらす何らかの危険性として、害鳥獣の認識範囲に無い音声を未知の
危険性として認知している可能性がある
上記に留意することにより、害鳥獣の「馴れ」抑制の効果を向上した忌避装置により持続的な撃
退を実現できる可能性がある。
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