害獣対策技術

query_builder 2021/07/18
技術的なことについて
害獣対策

害獣対策技術
電気柵のように、適切な高さ・適切な下草刈された管理において、痛みを伴う刺激を与えれば、ほとんどの動物は撃退できますが、適切な管理を行える農家の労働力不足・高齢化は増々進行している現状があります。普通に害獣のいない環境で、農作物・木を育てる喜びを感じながら、美味しくまた立派な木材を生産していきたいと考えるのは、農林業に携わる方の願いだと思います。
それを阻む獣害は全国で2018年には158億円もの被害額に上り、現実とのギャップは拡大しています。その害獣対策に関わる体力的・コスト的な負担を減らすために最近ドローン追跡による害獣の追い払いや、ネットワーク監視を使った箱罠等最新テックで実証を重ねていますが、どの方法も「帯に短し」状況です。
現在のところは、電気柵というのが害獣対策としては一般的な「解」ですが、一瞬でも高電圧のパルスを用いる為、取り扱い方の熟知と、害獣の露出部高への電線張り・漏電対策のための定期的な下草刈払い等の労力がネックとなって諦めてしまう方も出ています。
そのような中、弊社では、ローテクニックの音による害獣対策を長年やってきましたが、改めて最近世界中で進められている研究・実証のなかでわかってきたことを取り入れながら害獣対策装置を開発しております。
1.生態音響による撃退
世界中で昔から研究され、最近最も注目されている技術は野生動物の生態音響を利用した害獣対策です。すでにアメリカ・カナダ・インド・ヨーロッパでは主要な害獣対策となっています。生態音響を利用した害獣対策では
(1)同じ種の動物が発する苦痛音やコミュニケーション音声であるため、動物がその声に慣れてしまうことがありません。(持続的な追い払い対策として有効)
(2)小さな音量でも効果があり、都市部や郊外では近隣住民への迷惑を最小限に抑えることができます。
などのメリットがあります。
上記の生態音響による威嚇を最も有効にするのが発声するタイミングで、撃退装置を田畑・菜園の侵入経路に設置して田畑へ侵入する瞬間に発声することで、そのエリアへの侵入に対する恐怖心を学習させ野生動物の「馴れ」を防ぎ逆に撃退装置の恐怖心を学習させることで持続的な撃退効果を高めます。2018年にアメリカミネソタ州の牧場で行われたヘラジカ撃退の実証比較試験では、「定時発声(180秒)」と「検知発声」7日間の同条件での監視カメラによる画像解析では 
(1)定時発声 65%(侵入82回、撃退53回)
(2)検知発声 95%(侵入78回 撃退74回
という結果がありました。
生態音響に対する研究も進んでおり、インドでの研究によるとシカ撃退効果の生態音響で効果が高い順に
トラの咆哮>雌鹿の子鹿を探す鳴き声>子鹿の鳴き声>2枚の金属を接触させた音>雄鹿同士のケンカ声
となったそうです。
2.害獣対策で害獣検知に使用すセンサー
害獣撃退に対する検知発声に関するメリットを有効にするには、確実に害獣検知を行わなければなりません。ただ害獣検知は、一般の警備会社で使用する検知エラー率ほど高くする必要はありません。誤動作しても、一回余計に、発声がされるだけという言うエラー率で考えられるべきであると思います。
害獣検知に使用されるのは下記に示すセンサーです。
(1)焦電センサー
(2)マイクロ波センサー
(3)超音波センサー
焦電センサー
最も普及しているセンサーで動物の体温(害獣の体温:36℃~41℃)に反応します。受動センサーなので容易に感度が高くできるので背景温度(気温)が30度くらいまでは感度良く良好に実用できますが、気温が35度以上では一般に閉じます。気温が一定な室内とか問題ないですが、屋外に使用すると、外乱(気温・草木のなびき等)での感度設定の難しさで非常に使いづらいです。
マイクロ波センサー
現状最も安定して使えるセンサーですが、価格と技適の問題があります。技適の問題は、技適取得のセンサーもあるので現在はあまり問題になりません。
マイクロ波は、22GHz付近に水分(体液)の最適吸収(減衰)点があり、野生動物を検知するには理想的な反応を示します。(24GHzISMバンド)
超音波センサー
室内の10mまでのセンサーでは、かなりな精度で検知できますが屋外機器で使用するとなると、ソフト的な補正(気温・風速等)がかなりたくさんあり実証に時間がかかります。

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