動物(害獣)センサーについて

query_builder 2020/09/01
技術的なことについて
害獣対策

電波を使用した動物(害獣)の検知は、主に動物(害獣)の水分による反射又は吸収される電波の減衰を検出することで行われます。
ここでは、電波の吸収で減衰する対向遮断型のセンサーの例で概説します。
1.動物(害獣)の水分は、成体の場合体重の≒60%~65%に及びます。
2.物資には、固有の誘電率という値が存在しこの値は外部から電場を与えたとき物質中の原
  子(あるいは分子)がどのように応答するか(誘電分極の仕方)によって定まります。そ
  の値(value)は普通空気を1とした比誘電率で表し、水(水分)は≒70~80程度(かな
  り高い)です。
3.さて、今対向している送受信機間をそのような動物(害獣)が通過すると、誘電率の高い
  物体(動物(害獣))によって受信機に伝わる電波は減衰し、通常(障害物のない空気)
  との比較で、半分以上(電力で3dB以上)の減衰をもたらします。
4.この電力低下を検知すれば、動物(害獣(水分の塊))の通過がわかります。
5.減衰が大きくなれば、検知は確実(通過がわかりやすい)となります。
6.誘電率が高い物質ほど減衰は大きくなります。また、送受信機の輻射電力が集中(指向性
  が鋭いほど)している程、減衰は大きくなります。輻射電力を集中させるためには、アン
  テナを幾つも並べて位相合成してあげれば可能で、位相合成器が大きくならないように普
  通は周波数帯を高く(ミリ波帯、サブセンチ波帯)します。
上記の1~6を応用すれば、かなり精度の高い(誤動作の少ない)センサーになります。
動物が侵入したときの減衰の様子を下記に示します。(左・右から侵入)

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